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様々に去来する思いを透かして
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エマレホー、Tibetan Indigenous Music!
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2015.06.01.Mon | -
Great Yoghurt Festival
チベット語で『ショ』とはヨーグルト、『トン』とは祭りを意味する。
始まりは1416年建立のチベットのデプン寺で、毎年恒例の僧侶達の夏のリトリート明けの陰暦の6月30日、最も牧草が青々と繁っているこの時期にミルクという形で供養が捧げられたことからだ。
遍く知れ渡ってからは、法王様の夏の宮殿であるノルブ・リンカの庭に場所を移して開催された。
現在のチベットでは観光の外貨稼ぎと文化破壊カモフラージュのため復活しているようだが、中国によりこのショトン祭も禁止されていた。
亡命の地ダラムサラでは亡命初年度からTIPAが開催しており、1993年からは法王様のご提言で大祈祷祭と同時期に、その年の生きとし生けるものの繁栄と健勝を祝う祭としてこうして行われるようになった。

お籠り修行明けのお坊様をねぎらうため、繁茂する牧草を食んだ牛の乳の滋養豊かなヨーグルトを振る舞う。
お坊様達自身の打ち上げの開放感。
あの厳寒の忍耐をすっかり忘れて、視界にひろがる青々とした牧草地。
子牛も生まれたに違いない。
はじけそうな夏の喜びがショトン祭にはあふれていたことだろう。

今年は5団体、総勢200人を超えるアーティストが参加し、6日間それぞれオペラを披露する。
初日のTIPAのオペラでは、チューキーノルサンが上演された。
チベット語はメロディー付きの古い言い回しでほとんどわからないが、最後の方で奥さんを王様に奪われた山賊が王様とその家来と戦うシーンはゼスチャーで十分想像ができ、他の観客と共に大受けすることができた。
山賊の親分は強いはずなのに、奥さんが王様に心を奪われて行ってしまったと知るとおいおい涙を流すし、子分達は歯が抜けていたり、髪がぐちゃぐちゃで、ああでもないこうでもないと親分をなぐさめたり作戦を提案する姿は、実に田舎臭く間抜け丸出し。
一方王様達は皆、スマートでクールで、その対比が何ともおかしい。
その王様を演じるのは友人のD。
いつもと違って威風堂々としている。
奥さんは王様達の軍勢に加勢し、もとのご主人である山賊の親分達をやっつける。
その戦いがおかしくておかしくて、会場中笑いの渦。
単純な状況だが、むずむずするおかしさがある。
オペラの演目の筋立ては変化することはなく、部分部分のせりふや表現の仕方が変化する程度だが、皆お茶を飲み飲み、お菓子を口に頬ばり、時にはおしゃべりをしたり、犬にいたずらしながらゆったり鑑賞している。
日本で言えば歌舞伎のようなものか。
決まった『型』や昔からの台詞はあるが、その時勢を反映したエピソードなども交えてコミカルな面もたっぷり.
きっと、チベット語が全てわかったら、もっともらい泣きをしたり笑えたりしたのだろう。

鼻歌でオペラを歌っちゃうぶっ飛んだファッションのおばあさん

実際にこの場に身を置いてみると、観客をひっくるめたものがオペラなのではないかと思える。
これを日本のホールで上演したとしたら、違った鑑賞物と化してしまうだろうなあ。
(でも もちろん紹介したい!)
会場の人々とパフォーマンスを切り離した時、魅力が半減してしまうに違いない。
この場の人の気と集中と笑いと、それに呼応するアーティストの勢いと、雪山からの風、風をはらんで大きく上下するテント・・・それらが混じり合ったものがチベットオペラの肝なのだ。

そしてオペラ、つまり歌劇とは、普通の台詞を深く強く味わい尽くすための技。
自ら命を絶とうとしている女性が、高僧のところにやってきて、
「私は、ラマ、あなた様のもとについにやって参りました。」
と話すだけではそれ程胸にぐっとこないところを、朗々と遠くの山に響き渡る声で語る事で彼女の心の奥の震えがこちらにも直に届くという次第。

さすがに7時間半はちょっと長丁場で疲れたけれど、やっと機会に恵まれ見学できた。
明日はマスリからやってきたグループ上演の日。
私たちは休憩。

2008.03.29.Sat 19:46 | チベット音楽文化
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2015.06.01.Mon | -

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