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様々に去来する思いを透かして
愛するチベット民謡を感じてくれたら。
エマレホー、Tibetan Indigenous Music!
なんて素晴らしい!
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2015.06.01.Mon | -
ヤルキやる気
TIPAでは6月に毎年『YARKYI』という夏のイベントが開催される。
アーティスト達が2グループに分かれ、対抗でパフォーマンスを競うものだ。
演目の演出と大道具や衣装を含めた舞台演出、モダンの作詞作曲全てを教師抜きで行う。
そこに審査員と関係者が招待されてチベットのグラミー賞よろしくベストアーティスト賞や本年の最優秀アーティストグループが表彰され、トロフィーが授与される。
そしてこの演目を収録したDVDが毎年リリースされ、世界中誰でもが見られるということになっている。
先週の日曜日、雨漏りのするTIPAのホールより大きなTCVのホールで夜10時まで収録が行われたそうだ。
来月には店頭に並ぶことだろう。
今年はチベット本土で大量の人々が命を落としたり、投獄されたり、飢えたりしているという状況で、ぎりぎりまで決行するかどうかが決まらなかったが、なんとかGOサインが出たようだ。

私は先生から招待券をいただき、早めに先生の自宅でお茶を飲み飲み待機。
席に着くと、しばらく空いていた隣の席に誰かが座った。
ふと見ると、TIPA前代表。
なんという偶然だ。
こんなに沢山の人々のいる中で隣り合わせるなんて。
「今の仕事はいかがですか?」「ここにどれ位滞在するの?」などとお互いに聞き合っていると照明が暗くなった。
私も息子も見る気満々、スタンバイOKです!TIPAの皆さん!
すると、uprisingのドキュメンタリーフィルムが始まった。
世界各地で行われたデモや逮捕の様子と本土で殺害された人の遺体が交互に映し出される。
所々、息子が目を背けずにはいられないような生々しく残酷な場面も。
「おかあ、さ、ん・・・。」
私は息子の瞼に手を当てて、その場面が通り過ぎるまで視界に入らないようにしてやった。
時々、観客から思わず言葉が漏れる。
悲惨なシーンでは、会場中から舌打ちが。
「チッ、チッ。」「チッ、チッ。」「チッ、チッ。」「チッ、チッ。」「チッ、チッ。」
チベット人の舌打ちは、私たち日本人の『チクショウ!』の舌打ちとは違う意味で使われる。
「ああ、なんてことだ。かわいそうに。」が最も頻度の高い使用法なのだ。
最後の方では、どうにもがまんできなくてうるうるきてしまったが、暗い会場、鼻もすすらず、目も拭かずにじっとしていればバレないだろうと思いきや息子にはさとられていた。
「おかあさん、泣いてる?」
「え? あー、まあね。ちょっと何ていうか、なんとなくね。」
何言ってるんだ?

フィルムの後は、モダンの曲対抗。
先攻チームは完全に今回の事件をストレートに表現。
女性達は黒の民族衣装に身を固め、たすきをかけて眉間にしわを寄せて拳をにぎり、うつむく仕草。
男性達も大きなシンバルを持つ者、旗を持つ者など軍隊風のにおいがする。
その中に伝統衣装をフル装備したチベット人が数名、最後に列を飛び出して前に躍り出たかと思うと、
「チベットに自由を!」
「法王様、万歳!」
などと口々に叫ぶ。
そこへ、へらへらと笑った、軍服を着た中国兵がやって来て、あっという間に彼らを銃で殺害してしまった。
ん〜ここまでやるか。

観客席に身を置き、これらの演目はどれ位皆の気持ちに沿っているのだろうと肌で感じ取ってみると、老若男女が「よし、これでいい。」と言っている空気に触れた。
おそらくは、プラス面でもマイナス面でも、起きてしまった惨事を何度も何度も繰り返しこのように昇華して再現することが、彼らの心に落ち着かせるためには必要なプロセスなのだろうと思えてならなかった。


TIPA hill



2008.07.10.Thu 23:34 | チベット音楽文化
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2015.06.01.Mon | -

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